先日、興味深い記事を発見しましたので、ご紹介です。

長崎大学環境科学部では、美しい日本庭園鑑賞が心を癒す、という事実を科学的に証明するために実験を行いました。実験の内容は、よく手入れされた美しい庭「無鄰菴」と管理が行き届いていない雑草だらけの庭の二つを見比べて、変化を記録するというものです。「無鄰菴」を見ていたときは、目が良く動き、心拍数が下がり、気分が改善されたそうです。逆に、管理されていない庭では視点が集まり、気分の改善が見られなかったというのです。

日本庭園に携わる者の端くれとして、研究テーマに日本庭園を選んでいただいたこと、大変光栄に思いました。また、なんとなく漠然とした、管理は大事、という感覚に裏書をいただけたような思いで、非常にありがたく思いました。

病院や施設などに日本庭園があったら素晴らしいでしょうね。また同じように、おうち時間の長い方がご自宅のお庭を眺めることでストレスの改善が期待されたら、庭師としては嬉しい限りです。

我々庭師は、常日頃より、庭園における管理の必要性を強く感じています。
誰もが、庭木が繁茂し、草が伸び、落ち葉などがたくさん落ちていたら不快感を感じると思います。どこまできれいにしたら不快感を感じなくなるかは、人によって違うかもしれませんが、作業後のお庭を見た多くの方が「美しい」「きれい」と感じていただける状態を目指しています。

昨今、ご予算や手間、労働環境の改善など様々な問題もあり、なかなか理想的な時間をかけた庭掃除をすることができなくなってきております。ですが、可能な限り、少しでもきれいに、お客様に気持ちよくお過ごしいただけるように、これからも作業をしていきたいと思います。お客様には、是非とも作業後の庭を眺めていただいて、少しでも良い気分になっていただけたら幸いです。

最後に論文の詳細を知りたい方は、長崎大学のホームページなどをぜひご覧ください。
長崎大学の該当論文ページ https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science391.html
論文
タイトル:Eye movement patterns drive stress reduction during Japanese garden viewing
掲 載 誌:Frontiers in Neuroscience (PUBLISHED 15 May 2025)

問い合わせにご対応いただきました長崎大学環境科学部五島教授、問い合わせご担当者様、お忙しい中、大変ありがとうございました。